多人種

  • 2009年07月24日(金)

ブラジルって本まに多人種ですよね。

アフリカをルーツに持つ黒人系、欧州をルーツに持つ白人系、パルダと呼ばれる混血、アジアをルーツに持つ黄色系、先住民のインジオ系。
データで一番多いのが白人系で、次が黒人系となっています。ただ、ブラジルでの肌の色は自己申告となっているので、ヨーロッパで人種差別が問題視されたとき、かのホナウドは「肌の色で差別するのは良くない。僕は白人だが、そういうことは許せない」と言ったそうです。

肌の色・髪の毛の色・質・目の色も様々なブラジルですが、広い国土の中で地域によって好みのサッカーも違うようです。
一般的には、リオ・デ・ジャネイロは芸術的なサッカー、サンパウロ州は秀才的なサッカー、ガウーショ(リオ・グランデ・ド・スール州:南の端)はパワーサッカーという特徴があります。

各地域に特色があるとはいえ、ブラジルの各クラブは全国から優秀な人材を集めようとしています。低年齢の場合は、親元から離れられないのでクラブ近辺に住む、自宅から通える子が中心になりますが、寮生活ができる年齢になると、何千キロも離れたところから、あらゆる地域から人が集まってきます。

もともと、多人種である上に、地域を越えて人が動く。結果として、1つのチームに様々なタイプの選手が所属することになります。言葉も習慣も違う人々が集まって国家が出来ていったからこそ、互いが違うことを前提に言葉に出して理解しようとし、相手に同化を求めないけど、互いの存在を認める姿勢があります。

アルゼンチンは、スペイン人が植民地にしたとき、インジオを皆殺しにしたのに対し、ポルトガル人は、ブラジルのインジオと共存の道を選んだから多人種で、アルゼンチン人はみんな白人と聞いたことがあります。
そんなところからもブラジル人の「陽気さ」と「優しさ」を感じることができます。
サッカーと無関係とは思えません。

        Coachしみず

静岡遠征

  • 2009年07月19日(日)

18・19日は静岡遠征でした。

6年3人、5年6人、4年3人、3年4人と3・4年が約半数を占める人数構成で、特に6年にとっては結構負担のかかる遠征になりました。

試合中は守備も攻撃も全てやらなければなりません。
『ボールに行け!』
暑さとでかい相手にへこんでいる3年を元気付けるのも5・6年の仕事です。

やらなければならないことは試合中だけではありません。
試合と試合の間の過ごし方、二日目の水分の作り方、食べた弁当のゴミ処理と試合以外も大忙し!その上、今回の遠征は初めての泊まりの選手もたくさんいて、宿でも大変!風呂・食事・テンションの上がっている下級生の面倒を見るのも5・6年の仕事。
暑い時期の遠征で自分のことだけでも大変なのによくやっていたと思います。

今回下級生の面倒をよく見ていた上級生も、数年前は下級生で面倒を見てもらってました。順番です。これがチームの伝統です。今年の6年もペルナの伝統を継承できたようです。

ゲーム内容では、全て負けてしまいましたが3年のがんばりが光っていました。
最後の最後まで『コーチ出たい出たい』と言い続け、ラストの一本は4人全員出場!最後までちびっこパワーは衰えませんでした。

今回、人数的には大変厳しい遠征でしたが、高学年の選手にとっても、低学年の選手にとってもいい経験ができ、少し成長できた遠征で大成功でした。

        Coachしみず

日本サッカーの改善点A

  • 2009年07月16日(木)

前回、日本人が「技術は高いけど、“サッカー”は下手」な話をしましたが、そこで触れた「日本の文化」について・・・

基本、日本人って「農耕民族」で攻撃の文化はないと思うんですね。外国の「狩猟民族」に比べるとおとなしいというか・・・それが悪いというのではなく、その文化を理解したうえで「日本のサッカースタイル」を確立する必要があると思うんです。

野球やバレーボールって日本人の特性を考えたスタイルで戦っていると思いません?
野球なら、日本のピッチャーのイメージって変化球でコースを上手くついて大リーガーと勝負する。
バレーなら拾って拾ってクイック・移動攻撃、外国に比べて「器用」なバレースタイルな気がします。

ではサッカーではどうでしょう?
代表レベルでは、「数的有利な状況を作って・・・」などと、諸外国とどう戦うかを考えて日本のスタイルを確立しようとしていますが、ジュニア年代では・・・?

前回、「勝利を目指す」ことが「賢い選手」を作って、それが結局「日本選手のレベルアップ」につながるというような話をしました。
「日本のジュニア年代の多くは勝利至上主義」であるのに、なぜ賢い選手は育ってないのか?
それは、「勝利至上主義」が日本国内でのことだけだからではないでしょうか。
ジュニア年代で世界の国、特にトップレベルの国の選手と戦うことがスタンダードになれば、「日本国内で勝つ」ことより「世界のトップに勝つ」ことが重要な課題になるはず。そうなれば、今のジュニアサッカーでは限界があることが分かり、同じ「勝利」を目指すにしてもアプローチの仕方が変わってくるんじゃないでしょうか。
それが、日本のレベルアップにつながるんでは・・・
少年時代に外国のトップと戦う機会が極端に少ないのは島国だから・・・

A代表から各年代の代表、ジュニアユース・ジュニアの日本の全てのサッカーのスタイルを確立させること、サッカー文化を作り上げることには、小さい年代から海外にでること・・・結構重要かもしれません。

         Coachしみず

日本サッカーの改善点@

  • 2009年07月15日(水)

FCバルセロナのスクールコーチをしている、村松さんという人が「日本サッカーの改善点」について、おもしろい話をしていたので紹介したいと思います。

『年代にかかわらず日本人選手の試合やトレーニングを見た海外の指導者がよく抱く印象として、「技術は高いけど、“サッカー”は下手」というものがあります』

彼は、このことを日本サッカーの特徴の1つとして挙げています。

『では、なぜ「技術は高いけど、“サッカー”は下手」という状況が生まれるのでしょうか。その背景には、「賢さ」の欠如があると感じています。賢さはどのようにすれば身に付けられるのかと言えば、戦術的な思考を子どものころから繰り返し行うことになると思います。状況に応じたプレーの選択・実行の試行錯誤を幼いうちから経験しないと、賢い選手は育たないといえるでしょう』

非常に難しい言葉で説明されていますが、例えば「○番の選手、そんなに上手くないし、足が速いわけでもないのに“なんかボールを奪う”よね」ということじゃないでしょうか。

ゲーム中、常に全力でやってるわけじゃないんだけど「ここ一番」にはパワーを発揮する。
「賢い」=「サッカーを知っている」ってことじゃないでしょうか。

「サッカーを知る」ためには「サッカーをする」ことしかない訳で、「サッカーはサッカーをすることによってうまくなる」ということですね。

「危ない」場所を察知する、一番いいタイミングで攻めあがる、いわいるサッカーを知っている、賢いプレーをするのはなぜでしょう?
その答えを流通経済大学付属柏高校の本田監督はこう言っています。

「全ては勝利のためです。勝つために“戦術”“戦略”があって、それを実現するために“技術”が必要になってくる。全ては勝利のためです」

確かに、「危ない場所を察知する」のは失点しないため、「一番いいタイミングで攻めあがる」のは得点のため、サッカーが点の取り合いのゲームである以上「ゴール」を中心に考えるのは当たり前のことで、それは「勝利」のためであるといえます。

以上の点から、日本人が「技術は高いけど、“サッカー”は下手」なのは、小さいときから「技術を身に付ける」ことに重点を置いて、「勝利」をないがしろにしているからということになりますが・・・。
村松氏、本田先生の話からするとそうなりますが、ジュニア年代の現状ってそうでしょうか?
はっきり言うとジュニア年代って「勝つ」ことしか考えてないですよね。

なんかおかしいなぁ・・・

「日本のサッカーのスタイル」が確立されていないことと、日本に「サッカー文化」が根付いていないことが関係しているような・・・

そのへんの話を次回させてもらいたいと思います。

        Coachしみず

コミュニケーション

  • 2009年07月13日(月)

12日は兵庫の「横縞ストッキング軍団」と、チョロコーチのチームとグルグル回しでゲームを楽しみました。

いちおうUー11と9のゲームでしたが、あまり年齢にはこだわらずできるだけみんながたくさん出れるように工夫してやりました。

ペルナの言い伝えに「横縞ストッキングには気をつけろ!」というのがあるように(笑)今回もチンチンにやられました。ゆっくり慌てずボールを扱う横縞軍団に、必死に突破を図るペルナって感じでゲームは進んでいきました。
また、この3月まで滋賀Y高校に通っていたOBコーチが来てくれて、テクニックを披露してくれました。うちのジュニアユースの選手で、このY高校に非常に興味を持っている選手がいて、当日は親子でいろいろな話を聞かせてもらってました。

チョロコーチのチームとは、定期的にちょこちょこやっていて、選手同士がめっちゃ仲良くなっていてびっくりしました。お互いが名前を呼び合って自分たちの学校の話をしたり、一緒にボールを蹴ったりして楽しんでました。

こうやってコミュニケーションを取ることが実は非常に大事なことで、ヘタすると将来のサッカー人生を左右することがあるといっても過言ではありません。
中学までは、少年から一緒にサッカーを楽しんだ仲間と引き続きサッカーを続けることも多いのですが、高校になるとそんなわけにはいきません。
選手によっては、全然知らない県外の高校に通うことになったり、県内でも全然知らないところへ行ったりと、1人で高校サッカーの世界に飛び込んでいくことも少なくありません。そんなときに、周りの選手・先輩・コーチらとうまくコミュニケーションを取れずにサッカーを楽しむことができなくなったり、最悪の場合、一時的にサッカーを辞めてしまうこともあるかもしれません。そうならないためにも、少年の時代からいろいろな選手と友達になったり、大人と話をすることを練習しておく必要があると思います。

サッカーが上達することはもちろん狙いですが、社会に出ても困らないように「コミュニケーション」を上手く取れる人になることも大事なことです。

兵庫・大阪・愛知・滋賀・三重など多くのチームと交流をしながら、サッカー以外の大切なことも身に付けていきたいとペルナでは考えています。

       Coachしみず

暑い夏

  • 2009年07月09日(木)

7月4・5日はジュニアとジュニアユースの試合でした。

ジュニアはパスを始めて約1ヶ月がたちましたが、まだまだ全然です。パスの受け手が感じられず、「ボールを引き出す」ことができなくてうまくパスがつながりません。これからたくさんの経験をして、失敗をして、成功をして、少しずつ成長して最終的には「ペルナらしいサッカー」ができるようにもっともっと練習していきたいと思っています。

ジュニアユース(八風中)は、夏の中体連に向けてラスト2試合の1試合目の試合を豊田でやってきました。
去年の「熱い夏」から、あっという間に1年が過ぎました。
早い時間に1点を失い、追いかける展開のゲームになりましたが、後半追いついて終了間際に逆転。狙い通りのゲームができました。「簡単には負けられない」強い気持ちが出てきているし、チームの形が出来てきました。今年も「熱い夏」は承継されそうです。

今、八風中の先生とうまく連携が取れていて、「一貫指導」は成功していると思います。チーム名は違い、活動ベースも違いますが、選手の情報を共有し、お互いに選手を見て、時には交流戦をおこなう。まさに「一貫指導」です。
この環境に、後は選手の気持ちが「ポジティブ」に取り組めるモードに入れば、いい選手が必ず生まれるはずです。

八風中の「夏」が楽しみです。ぜひ、保護者・関係者の方も時間を見つけて「熱い夏」を感じに行ってください。大人である我々がたくさんの元気をもらうことになりますよ!

       Coachしみず

世界のベスト4

  • 2009年07月06日(月)

日本代表の岡田監督は、代表に選手を招集するたび「世界ベスト4、本気でやってみないか」と言っているようです。

『これは去年の途中から強調しだしたことで、例えばパスをシンプルに回すために、パススピードを上げなさい、ワンタッチでできるだけシンプルなプレーをしなさい、と下からどんどん変えていくというのは、実際時間がかかることです。
ところが、上をころっと変えるとすべてがオセロみたいにパッパッパッと変わっていきます。
そういった魔法の方法論のようなものが心理学の分野にあります。目標を設定し、それに対して皆が気持ちを一つにする。
どういうことかというと、「本気でベスト4を目指さないか」と言う。「本気で目指すということはそんなに生易しいことではないよ、ベスト4というのは。そんな適当な練習で適当な試合をしてそこそこでは、絶対にベスト4なんて行けないよ。大変なことだよ」ということになる。
それで練習でパススピードが緩い選手がいたら、「お前それでベスト4に行けると思うかい」とこの一言ですべてが解決する。これで何人かの選手が本気になってきている。これが全員そうなってくれればチームはかなり強くなると思います。』と岡田監督は語っています。

日本代表の選手のように「ある程度出来上がった選手」でさえ、ちょっとした気持ちの持ち方、考え方を変えるだけで、まだまだ伸びが違ってくるようです。

我々が指導している育成年代の選手なら、もっと変化が表れるんじゃないでしょうか。やはり、「ポジティブな指導」について、育成年代の指導者は真剣に考える必要があるようです。

       Coachしみず

ユニフォーム

  • 2009年06月29日(月)

27・28日と愛知県で5年生の大会がありました。

22チームが参加する盛大な大会で、普段やることのないいろいろなチームとの対戦を楽しむことができました。
結果は22チーム中22位!いい感じです(苦笑)
内容は・・・
28日は4・5年生の欠席が相次ぎ、急遽3年生を2人召集してギリギリ11人という状況で、3戦3敗でしたが内容は悪いものではありませんでした。
少ない5年生は3・4年生を引っ張りながらがんばってたし、3・4年生は必死にボールを追いかけていました。
負けはしましたが3試合とも1点差で得点も取れていました。

バスで解散場所に帰ってきていつものミニミーティングのとき、Nコーチが忘れかけていたことを思い出させてくれました。
この2日間は盛大なカップ戦ということで個人持ちではなく、チームのユニフォームを久しぶりに使用しました。
年に1〜2回しか使用しないこのユニフォームは、今のユニフォームと違い胸のエンブレムはペルナのマークではなくセレソン(ブラジル代表)のものです(もちろん非公認です!)
セレソンのユニフォームに番号とチーム名「PERNA SC」を背中に入れたタイプで6年程前から使用しているものです。久しぶりに見たユニフォームは少し色あせていましたが、見れば当時のことを思いだすこだわりのユニフォームです。
その当時のことをNコーチの一言で鮮明に思い出しました。

「このユニフォームは君たちの先輩が着ていたものでこだわりのものです。このユニフォームを着て先輩たちは『日本のサッカーを自分たちで変える』と言ってがんばっていました。このユニフォームはペルナの誇りです。君たちもこのユニフォームを着た以上は、プライドを持ってがんばってください」

私も指導者を始めたばかりで完全手探り状態。それでも選手と一緒になんとかしたくって必死にがんばっていた頃でした。
今回と同じく試合をすれば負けてばかり。それでも勝ち方にこだわって(負け方?)個人にこだわってやっていた頃でした。

その時の純粋な気持ちを思い出して(決して今が不純という訳ではありませんが・・・笑)なんか“キュン”ってなりました。

もう一度初心に戻ってまた一からがんばろうって思った2日間でした。

       Coachしみず

駆け引き

  • 2009年06月25日(木)

昔、サッカーの王様「ペレ」がブラジルのクラブチーム・サントスの一員として来日したときのことです。
対戦した日本代表は2人の選手をマークにつけました。
その内の1人が後にこう語りました。

「足が速いと聞いていたからずっと緊張して構えていたのに、前半はほとんど動かなかった。でもこっちはそれだけでヘロヘロだよ。そして後半も30分近くまで動かない。で、フッと緊張を解いた瞬間に、空中ドリブルで僕ともう1人のあいだを割って入られてゴールされちゃった。

「あ〜あ」とがっかりしていたら、次の瞬間また空中ドリブルで今度は1人ずつ頭の上を越されてゴール。
結局ペレは1分動いただけ。それで2点とられちゃったんだ」

もしペレがマークを外すためにずーっと走り続けていたら2人のマークは外れなかったでしょう。突然のダッシュが当時の日本の誇るDF2人を翻弄したんです。

別の国際時代の話です。
日本のFWは相手DFがボールを持っていると一所懸命追いかけました。しかし、相手DFはFWが来る前にパスを回してしまい、日本のFWはボールを奪えませんでした。
逆に、相手FWは日本のDFがボールを持っていてもそれ程激しく追いかけません。ところが、ボールを持ったDFがFWから目を離した一瞬のスキに突然FWがダッシュし、ボールを奪いにいきました。慌てたDFはボールを外に蹴り出し失点は免れましたが危ない場面でした。

外国の人から日本のサッカーは「砂漠の上で裸足でサッカーしてる」と言われることがあります。
小学生でも「強いチーム」の試合や、中学生の試合を見ていていつも思うんですが「バタバタ」して、いつもトップスピードでやってますよね。本当に「砂漠の上で・・・」です。

速い選手がいて遅い選手がいる。そのスピードの変化がリズムの変化になって、相手を崩すことに繋がるんじゃないかなぁ〜。
「速くできる」選手はいっぱいいますが、「ゆっくりできる」選手はあまりいません。常に頑張るだけじゃなく、サッカーには「駆け引き」が重要です。マリーシアです。

       Coach しみず

Take your own risk !

  • 2009年06月23日(火)

日本代表の岡田監督と日本サッカー協会育成技術委員長の小野剛氏が、会談で興味深い話をしていました。

「エンジョイ」エンジョイというのは、子どものころサッカーを始めたころの喜び、ボールを蹴りたい、いつも俺にボールをよこせ、という気持ち。これが大人になってくると、ちょっと出しゃばってミスしたら困るからボールはいらない。相手を怖がって腰の引けたプレーをする。そんなプレーはやめて、エンジョイ、「サッカーを始めたころの喜びを、プロになろうが忘れるな」ということを言っています。
その一番の中核というのが「自分の責任でリスクを冒せるようになれ、それが一番の楽しみだろう」ということです。
ドリブルで仕掛けるのなら、簡単に言えば「ボールを取られたら自分で取り返せ」ということです。

必死にがんばって自分の思うとおりのプレーができる。それがサッカーの楽しみです。
「周りの人がなんとかしてくれる」ではなく「自分でなんとかする」ということです。

ある意味、日本の社会を変えていきたい部分、日本人には「責任は上司が取ってくれる」みたいな部分がありますが、サッカーでは少なくとも変えていきたい、変えていかなければと思っています。

「Take your own risk (自分の責任は自分で)」

 Coachしみず