『ペルナの想い』 その11 『子どものコミュニティーについて』

  • 2016年10月07日(金)
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ペルナでは、子どもには子どもの世界があると考え、大人が余分に介入しないように心掛けています。

学年が下になればなるほどちょっとしたイザコザは起きるものです。

ちょっとしたおふざけでボールを蹴ったら両方がいつの間にかマジになってけんかに発展みたいな・・・

そんなときペルナでは『どうするのかな?』って感じで見ています。

すんなり当事者同士で解決することもあれば、少し長引くこともあります。

当事者同士で解決しないようであれば、次は上級生の出番です。

『どうした?』と聞いて適切な指示。

多くは上手くまとめてくれます。

もちろん、それでもどうしようもないときはコーチの出番となるわけですが(苦笑)

子どもたちは本来『正義感』を持ち合わせています。

この正義感がもめごとを解決してくれるし、下の子の面倒を見ていろいろなことを教えてくれます。

せっかくこんな素晴らしい能力を備えているのに、わざわざ大人がしゃしゃり出ていく必要ないでしょ?

だまって見ていると子どもならではのびっくりするような理屈で話が進んでいくことがありますが、それこそが子どもの世界。

見守り、必要最小限のアドバイスを送りましょう。

それこそが『自立』の手助けかもしれません。

以上、ペルナの考える『子どものコミュニティーについて』でした。 

『ペルナの想い』 その10 『低学年の練習の最初がゲームな理由』

  • 2016年09月30日(金)
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ペルナでは現在、週2回低学年の練習があります。 

低学年の練習はゲームで始まりゲームで終わるようにしています。

最後はゲームで終わる練習って多いと思いますが、ゲームで始まる練習ってあまりないと思います。

これには想いがあります。

なかなかチームの事情で思うように練習時間が取れませんが、本当は今の倍ぐらい最初のゲームの時間が取りたい。

みんなが集まってきたらどこからともなく『ゲームやろ!』って雰囲気になって欲しい。

『サッカーで遊ぼう!』ってやつです。

そこには学年は関係ありません。

サッカー王国・ブラジルで言う『ストリートサッカー』ってやつです。

ちびっ子は高学年に果敢に挑んでいきます。

高学年に遊ばれて、やっつけられながら、高学年の技術を『盗んで』いきます。

それは、高学年が中学生と戦うときや、トップチームの選手と戦うときも同じです。

サッカーはゲームが一番楽しいし、一番上手くなります。

最近は何も言わなくても低学年の最初はゲーム。

ゴールを置いたらスタートして、途中から選手がどんどん混ざっていきます。

でかいやつ相手にいろいろやってみよう!

誰にも負けるな!!

目指せ!ブラジル・ストリートサッカー!

以上、ペルナでの『低学年の練習の最初がゲームな理由』についてでした。 

『ペルナの想い』 その9 『言わない理由』

  • 2016年09月21日(水)
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ペルナではできるだけゲーム中や練習中、遠征での様々な時間の決まりなどについて『言わない』ようにしています。

例えば、バスで遠征に出かけてトイレ休憩をサービスエリアで取ったとき、『今10:15なんで10:30に出発します』とか、宿泊で『寝る時間は10時で起きる時間は6時です』とか、そんな類のことは全く言いません。

サービスエリアにトイレ休憩で停まりました。

『トイレ休憩』ですからトイレに行くだけです。

おのずと時間は決まってきますよね?

『遠征の宿は楽しく過ごしてください。ただし、サッカーの遠征であることを忘れないでください』と伝えれば、これもおのずと寝る時間や起きる時間も分かるはず。

それでもテンションが上がってしまい上手く睡眠がとれない選手がいます。

2日目の状態を見れば分かります。

確実に動きが悪いですから。

そんな選手には無理をさせず『休んで』もらいます。

体調を崩してはなにもなりませんからね。

少し具合が悪くなって選手自身が初めて気が付きます。

『本人が気が付く』ことが重要です。

次は同じ失敗をしないでしょう。

大人が注意して『やらせる』ほうが早く結果が出るかもしれませんが、それでは注意されなければ同じ失敗を繰り返します。

生活面だけでなくサッカー面でも同じことが言えると思います。

プレー中に『あーしろ、こーしろ』と言われれば、その時は成功するかもしれません。

しかし、サッカーはプレー中の状況が細かく変わるスポーツですし、右へパスするのかドリブルするのか瞬間に判断することが求められるスポーツです。

周りから大人がワーワー言うより、『この選手はどんな選択をするのかな?』って見ているほうが、そして失敗して選手自身がそれから学んだほうが、長い目で見ればその選手にとってプラスになると思います。

ただし、時間はかかりますが・・・

時間がかかっても『本物の技術』を身に付けるために、ペルナでは『言わずに』待っています。

本物の人間性を身に付けるために・・・

以上、ペルナでの『言わない理由』についてでした。 

『ペルナの想い』 その8 『メンタルトレーニング』

  • 2016年09月13日(火)
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ペルナでは5年生以上になると月に1回『メンタルトレーニング(メントレ)』があります。

いわゆる『座学』っていうやつですね。

今年はリオ五輪もありましたし、スポーツの世界でのメンタルの重要性は多くに人に知られるようになりました。

メントレというとトップアスリートのものと思われがちですが、ペルナではできるだけ早い時期にメントレすることが重要だと考えています。

もちろんこれはサッカーだけに限ったことではありません。

勉強など私生活にも大きな影響を与えます。

メントレとは、自分が望む結果のために、自分で自分の心をコントロールできるようにするトレーニングのこと。

それには、目標設定や集中力、ポジティブシンキングやイメージトレーニングなどがあり、毎回それらのうちどれか一つに絞って勉強します。

先ほども言ったように、これはサッカーに限ったことではありません。

ペルナの選手にはサッカーだけでなく大きく見て人生の勝ち組になってもらいたい。

例えば、大人になっても非常にネガティブな人っていますよね(^_^;)

少し考え方を変えればもっと幸せになれるのになって人。

そんな生き方ってもったいないでしょ?

子どものころに身に付けた自転車の乗り方は大人になっても失われないように、子どものころからポジティブに考えられたら人生って変わると思いません?(^o^)

だからペルナでは早い時期からメントレをやってます!

ちょっとおおげさかもしれませんが、サッカーを通して、メントレを通して子どもたちの将来の幸せを願っています。

以上、ペルナでの『メンタルトレーニング』についてでした。 

W杯アジア最終予選vsタイ

  • 2016年09月07日(水)
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6日行われたW杯アジア最終予選vsタイ戦で、ペルナOBの浅野拓磨がスタメン出場し、1ゴールを決める活躍をしました。

前回のUAE戦での『幻のゴール』のリベンジを、どうしても負けられない今回のタイ戦で欲しかった追加点を、たくまらしいプレーでゴールできたこと、本当にうれしく思います。

この大事な1戦で、あの岡崎に代わってのワントップ、とんでもない重圧だったでしょうがよく決めました(^o^)

たくまのここ1年程の成長はびっくりするぐらいです。

サンフレッチェ広島でも五輪代表でも今回のA代表でも、与えられたチャンスを確実にものにしています。

やっぱり『もってる』なあ(^o^)

A代表に呼ばれた頃は、テレビの画面からも本人の『ドキドキ』が伝わってくるようでしたが、UAE戦・タイ戦のテレビ画面からは、はっきりと『やれる』って感じが伝わってきました。

本人もそこらへんは手応えを感じているようです。

本当にたくましい選手に成長しました。

本人にとって初の海外挑戦もこれからが本番。

W杯予選で合流が遅れている分、急ピッチでチームに溶け込む必要があります。

変わらず周りに感謝してがんばってもらいたいものです。

また、ペルナSCの現役の選手たちも身近にいる偉大な先輩に、追いつき追い越せるよう努力してもらいたいですね(^o^)

みんながんばれ!(^_^)/

つたえびと しみず

『ペルナの想い』 その7 『審判なし』

  • 2016年09月05日(月)
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前回はペルナでのホームゲーム『Jogo com PERNA』についてお話しさせてもらいましたが、今回はそのホームゲームでなぜノーレフリー(審判なし)なのかについてお話しさせてもらいます。

理由の一つは『ルールを理解してもらいたい』ということ。

そのプレーはファールなのかノーファールなのか?

もし、意図せずファールを犯してしまった場合は、フェアに相手チームにボールを渡せるかどうか。

当事者は必死にプレーしていて分かりにくい場合もあるでしょうから、そこは周りの選手が言ってあげられるかどうか。

サッカーというスポーツに『フェアプレー』が絶対必要である以上は、しっかり理解してもらいたい。

もう一つは『自分たち基準でプレーしてもらいたい』ということ。

ボールの奪い合いをやっていてボールが少々タッチラインを割っても、その2人がファイトを続けていればそのまま続けましょうってこと。

変に大人の審判が『アウトボール』を宣告(フエ吹いて)して、ファイトの邪魔をしてほしくない。

ボールが出たかどうかではなく、そこの1対1はどうなったかのほうに興味がある大人の集まりだということ。

もちろん1人がボールがラインを割ってプレーを止めたらアウトボールですし、オフサイドトラップをかけてオフサイドの罠にかけたらそれは『オフサイド』

そこら辺のところも含めて自分たち基準でできるだけ長くプレーしてほしい。

『できるだけ長く』プレーするためにもこだわりがあります。

多くのJogo com PERNAではゲーム時間を25分1本で設定してあります(真夏の時期、低学年のゲームなどは15分ハーフにすることがありますが)

その理由はたくさんゲームができるから。

15分ハーフでやると1ゲーム入れ替えの時間も入れると40分でプレー時間は30分。

25分1本ならプレー時間は25分ですが、1ゲーム30分でいけます。

プレー時間は5分の差ですがたくさんゲームができます。

もちろんゲーム途中の水分補給は重要ですから、ゲーム中自由に水分を取ることができますし、ゲームしながら水分を補給するのも練習でテクニックの一つと考えています。

とにかくプレー時間を長くしたい。

サッカーはサッカーをプレーすることで上達するから。

何コートあってもフエは本部で一括終了時のみ。

最初のフエは吹きません。

早く準備できたチームがすぐ始めて、少しでも長くゲームできるように、25分1本が30分1本に限りなく近づくように、準備の早いチームが得するように。

全てはプレーヤー(子どもたち)のために!

以上、『審判なし』についてでした。 

『ペルナの想い』 その6 『Jogo com PERNA』

  • 2016年08月26日(金)
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ペルナでは年に何回かホームゲームを行います。

その全てがいわゆる『練習試合』

優勝・準優勝などを決める大会形式のゲームをすることはありません。

なので、学年もまちまち。

U-10がU-11やU-9とゲームすることはしょっちゅうですし、中学生がU-12部門にエントリーすることもよくあります。

理由は簡単で『点数での勝ち負けにこだわっていないため』です。

だから名称が『Jogo com PERNA』

ポルトガル語で『ペルナで遊ぼう』という意味です。

『遊び』と言いますが、ふざけるのではなく、『本気』で遊びますけどね(笑)

大人の人でよく『釣りが趣味です』って言われる人がいますけど、本気で一生懸命釣りをすることで楽しめるでしょ? “だらー”っとやったら楽しくないでしょ?

それと同じでペルナでは本気で遊びます。

その遊びの中から本物の技術を身に付けて欲しい。

子どものころ、年上のお兄ちゃんに連れて行ってもらった川遊びで、教えてもらった魚の取り方なんかはいくつになっても忘れないことないですか?(笑)

虫の取り方とかね(笑)

そんな感じで本当の技術を身に付けるのに学年は関係ないし、っていうより学年は混ざっていたほうがいいし、トロフィーやメダルをかけてスタメン・補欠ってやる必要ないし、だから審判はいないしフエは終了しか吹かないし(この『審判なし』については次回お話しさせてもらいます)

遊び=楽しい=長くやりたい=結果上手くなるという環境を作るために、Jogoでは今の形式をとっています。

毎回本当にたくさんのチームに参加してもらっていますが、その全てのチームがこの考え方に賛同してもらっていますので『Jogo com PERNA』は成立します。

『Jogo com PERNA』についてでした。 

『ペルナの想い』 その5 『声のかけかたについて』

  • 2016年08月24日(水)
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ペルナでは選手に対する声のかけかたについても少々こだわりがあります。

『できるだけポジティブな声かけをする』

例えば、PKを蹴る前に、『絶対外すなよ!』と言うのと、『絶対入るよ!』って言うのと、両方同じことを言っていますが、聞いた方はどうでしょう?

言葉は身体を引っ張ることがありますから(この辺はメンタルトレーニングで勉強します)、前者は『外す』が大きく意識され、後者は『入る』が意識されます。

結果は分かりませんが、間違いなく後者のほうがポジティブに取り組めます。

リフティングがどれほどサッカーに影響するかは分かりませんが、努力をすれば必ず1000回ぐらいはできるようになります。

『リフティングができない選手はゲームに出さない(注1)』のではなく、『たくさんできた選手がたくさんゲームに出れる』という方式をペルナでは採用しています。

結局は同じことなんですが、できない人が罰を受けるのではなく、努力した人が報われる、そんなチームでありたいので、少しの言い方も工夫しています。

全てがこんな感じで、これがペルナの想いです。

以上、声のかけかたについてでした。

(注1)指導者を始めたころは『できない』人を『出さない』でいました。指導者として非常に未熟でした。反省しております。 

『ペルナの想い』 その4 『ゲームの勝敗について』

  • 2016年08月23日(火)
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 ペルナではゲームに勝った・負けたをほとんど問題にしません。

サッカーもスポーツである以上、当然ゲームに勝利するために全力を尽くします。

それはペルナでも一緒ですし、指導者は結構な負けず嫌いです(笑)

ただし、必要以上に勝利にこだわること、選手以上に大人が勝利にこだわることはペルナでは完全に『NO』です。

私がチームの指導を始めてから変えていないことはたった一つ。

『クリアー禁止』

クリアーとは、おもにディフェンスがピンチなときにボールを大きく蹴りだすことや、大きく蹴りだすことすら困難なときに外へ蹴りだすことです。

これはペルナでは全面禁止です。

これには理由があります。

それは『子どもたちに、より難しいことにチャレンジして欲しい』という思いがあるから。

どんな指導者に聞いても『なんでもかんでもクリアーしてもいいわけではない』と言うと思います。

ある人は『本当に危ないときだけクリアーしてもいい』とか、またある人は『クリアーするのか、ドリブルもしくはパスを狙うのかも一つの判断』とか、『一人が取りにきたときはかわしてからパス』とか・・

では、本当に危ないときとは?クリアーとドリブルの判断基準は?

これらすべてが『大人』の判断であり、観ている人の基準です。

本心は『そこでボールを奪われたら失点するやん!』ってことでしょ?

相手が背後に大きくボールを蹴って前の選手を走り込ませる。

先にボールに触ったディフェンスはそのままサイドに蹴りだすのと、ボールをコントロールして相手をかわし前線にパスを出す。

どっちの選手がいい選手ですか?

当然後者ですが、この選手がこのプレーを成功させるためには3つのプレーを正確におこなう必要があります。

まず、来たボールを正確にコントロールする、そして相手をかわす、パスをつなぐの3つです。

誰も最初から成功する選手はいません。

そんな選手はいないので、ペルナではいかなる状態でもクリアーを選択せず、なんとか味方にパスをつなぐことをゲーム中に練習します。

当然失敗することもありますし、どちらかと言えば失敗することのほうが多いですけど、将来の成功のために今チャレンジしています。

自陣ゴール近くでボールを失えば即失点。

これがペルナの失点の多い理由の一つで、失点が多ければゲームに負けることが多いのも当たり前ですよね(苦笑)

全てがこんな感じでチームの勝利よりも、個人の成長を優先しているため、チームでは勝った負けたは問題にしていません。

保護者のかたも、ゲームを終えて帰ってきた子どもたちに『今日は勝った?』と聞くのではなく、『今日はどうだった?』と聞いてあげてください。

『今日はこんなことができて、こんなことを失敗した』なんて答えが返ってきたら最高ですね!

以上、ペルナが点数の勝ち負けにこだわらない理由でした。 

『ペルナの想い』 その3 『ゲームで全員が出場する理由』

  • 2016年08月09日(火)
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 ペルナではゲームのとき個人に番号を付けます。 

その日の参加人数が14人なら1〜14という具合に。 

そしてゲームが8人制なら前半は1〜8、後半は9〜2、次のゲームの前半は3〜10、後半は11〜4って感じです。

体調不良やけが以外でのゲーム出場差は最大で『1』

みんなが順番に出場できるようにしています。

ペルナは日本サッカー協会に登録していませんので公式戦はありませんが、優勝を決めるカップ戦でも練習試合でもこの方法は変わりません。

この方法になったのは2007年頃です。

どの指導者に聞いてもサッカーはゲームすることで上達すると言います。

『スタメン』を決めて『レギュラー』と『補欠』というふうに分けるやり方が通常のチームでは多いかと思いますが、そうすると必然的に『レギュラー』はたくさんゲームに出て、『補欠』の出場時間は減るのではないでしょうか。

『勝利』するためには必要なことかもしれませんが、レギュラーに比べていろんな意味で『上手くない』補欠の選手のゲーム出場時間が短くて、彼らはどこで上手くなるのでしょう?

チームの勝利のために犠牲になる『補欠』の選手たち。

以前、うちのチームに強豪チームから『ゲームに出れない』ことを理由に移籍してきた選手がいました。

その選手は大好きだったサッカーが嫌いになりかけており、サッカー自体を『辞める』寸前での移籍でした。

うちでは公平に出場する。

最初の頃のお父さんの言葉が忘れられません。

『こんなに長い時間試合に出ている子どもを観るのは初めてかもしれません』

涙が出そうになりました。

この選手は今では輝きを取り戻し、現在もポジティブにサッカーに取り組んでいます。

ペルナでは我々指導者に、子どもたちが成長する場を奪う権利はないと考えます。

これがペルナでは交代で全員がゲームに出場する理由です。

個人の成長のために!