ガンバVSマンU

  • 2008年12月18日(木)

サッカーの6大陸連盟クラブ王者が世界一を争うクラブW杯は18日、日産スタジアムで準決勝を行い、マンチェスター・ユナイテッド(イングランド)がガンバ大阪を5−3と下しました。

このゲームを語るのに、どうしても昨年の「ACミランVS浦和レッズ」と比較してしまうのですが・・・

立ち上がりガンバ大阪は持ち前のショートパスでリズムを作りました。何度か世界のマンUのゴールに襲いかかりましたが、先制点を奪うことはできませんでした。
マンUは二度のセットプレー(コーナーキック)をモノにして、前半を2-0で終えました。

後半ガンバは1点を返し1-2として、マンUを慌てさせましたが、マンUはルーニーを投入してすぐの後半30分、そのルーニーのゴールで突き放し、その後も33分・34分と得点を重ね5-1とリードを広げました。

ガンバも連続失点で浮き足立ちましたが、後半40分遠藤の「コロコロPK」、44分の橋本のファインゴールで3-5と差を縮めましたが反撃もここまで!
合計3-5で敗れました。

昨年の「ACミランVS浦和レッズ」のゲームは、終盤カカーの左サイドのドリブルからの得点で、1-0でACミランが勝利したように記憶していますが、その時の次の日の朝刊の見出しは「レッズ大健闘!ACミランに0-1!世界との差縮まった!」みたいな感じだったと思います。
さて、今年はどうでしょう?
点差は3-5で2点。点差だけみると広がっているような気がしますが、3点取っています。
今18日の22時で、先程までゲームを観ていたので他の人がこのゲームをどう観たか分かりませんが、私は世界との差は縮まっていないと思います。
ミランの時と同じようにマンUの選手には明らかに“余裕”が感じられました。
Cロナウドは一度もガンバの選手を抜けませんでした。いや、抜きませんでした。

明日の新聞には「Cロナウド、世界最高のボールタッチ!」みたいな記事が載るんでしょうね。
私には今日のCロナウドは遊んでるとしか思えませんでした。
恐らく決勝では何回か相手を抜いて「置き去り」にする本気のプレーがみられるでしょう。

しかし、レッズが0-1で敗れたのと、ガンバが3-5で敗れたのは大きな違いがあると思います。
レッズの「守ってカウンター」のサッカーは、イタリアのチームには通用しないと思います。「カテナチオ(ゴールに鍵をかけるの意味)」を破る能力も技術もレッズの選手は持ち合わせていないでしょう。
それに対しガンバの「ショートパスをつなぐ」サッカーは3点取ったところからも世界に通用すると思うし、世界と対等に戦うために後はディフェンス面がどこまで伸ばせられるかがポイントかなって思います。

このガンバの戦いを観て、日本のサッカーの進むべき道が見えたような気がします。

       Coachしみず

FIFAクラブワールドカップ

  • 2008年12月15日(月)

FIFAクラブワールドカップ ジャパン2008準々決勝 アデレード・ユナイテッド(オーストラリア)対ガンバ大阪(日本)の試合が14日トヨタスタジアムでおこなわれました。

結果は我らがガンバ大阪が前半23分、明神〜二川〜播戸とつないだボールを最後は遠藤が、ゴールキーパーにカネッタ(股抜き)を決めて得点。そのまま逃げ切り1ー0で準決勝進出、マンチェスター・ユナイテッドへの挑戦権を得ました。

ガンバにとってはこのアデレードは、11月にACL決勝を戦い大勝しており「勝って当たり前」的な空気が流れていて非常にやりにくい相手でしたが、遠藤の技ありゴールを守りきって世界のマンUへの挑戦権を獲得しました。
私もトヨタスタジアムでこのゲームを観戦していましたが、終了間際のアデレードの攻撃は迫力のあるもので、際どいシーンにスタジアムのガンバファンの悲鳴は大変なものでした。

帰りの車の中での家族ミーティングでは
「勝って良かったなぁ」
「マンUとの試合見たいなぁ」
「最後のほう危なかったなぁ」
というファンの感想(笑)に混じって
「しかし、なんで最初からアデレードはもっとシンプルにロングボールを使わへんかったんかなぁ」
っていう疑問が出てきました。
それは、アデレードのアウレリオ監督の試合後のコメントで謎が溶けました。
「素晴らしい相手と戦っているのだからとにかくできるだけのサッカーをしたい。今日のゲームは地上戦をすることが重要だと思った。そうすることでガンバに追い付いたのだと思う。このゲームによって、オーストラリアのサッカーがどこを目指すべきかはっきりした」
とアウレリオ監督は語りました。

アデレードはクラブワールドカップでのマンUへの挑戦権は逃しましたが、大きな手応えを感じたようでした。


昨年のクラブワールドカップで、浦和レッズがセパハンを破りACミランへの挑戦権を獲得し、世界との差を見せつけられましたが今回はどうなるでしょう。
レッズは日本のビッグクラブでホームタウンのさいたま市は人口120万人の大都市。守備からのカウンターを得意とするチームです。
一方ガンバは生粋の関西クラブでホームタウンの吹田市は人口35万人の都市。中盤に才能豊かな人材を揃えパスサッカーをするチーム。
どちらのスタイルがいいか悪いかではありませんが、現在の日本のサッカーの主流は間違いなくガンバです(ペルナではそう信じています)

日本のサッカーが目指すべきスタイルのチームが、世界のトップチーム相手に何が通用して何が通用しないか?
非常に興味深いところですが、アデレード戦で負傷退場したMF二川と佐々木は今季絶望。
大きなハンデとなりますが、この一戦が日本のサッカーの将来を大きく左右することになるかもしれません。

        Coachしみず

岡田エコジャパン

  • 2008年12月15日(月)

岡田ジャパンの今度のキーワードは「ローパワー」だそうです。

人のエネルギー回路は、体内のグリコーゲンなどの糖を分解して強い力を得る「ハイパワー」系と、力は低いが脂肪を燃焼して長時間エネルギーを得られる「ローパワー」系の2つがあります。
両回路は混ざり合ってエネルギーを生み、ロー系の割合が強いほど吐き出す二酸化炭素の量は減るそうです。

日本代表はこの「ローパワー」のトレーニングを充実させていこうという、サッカーのみならずスポーツ界にとっても新たなチャレンジを試みています。
90分間のサッカーのプレー中、7割以上はジョギング程度の運動で、ローパワー能力を向上させれば、この時間帯は脂肪でエネルギーを供給し、瞬発力が必要な勝負どころで発揮されるハイパワーのために必要な糖をとっておける。
そうすれば試合終了まで足は止まらず、集中力も持続でき、けがやオーバートレーニング症候群の予防となるのが狙いです。

なかなか世界に対して「個」で戦うのが難しい日本人。数的優位を作ってグループで戦うためには、どう
しても走力、運動量が必要となってきます。
この「ローパワートレーニング」がうまくいけば、岡田ジャパンはエコジャパンとなって少しは世界と戦えるようになるかも!?

        Coachしみず

「でかいのをやっつけろ!」

  • 2008年12月09日(火)

毎週金曜日はU-9・10・11・12で練習しています。

昔のペルナは小学生全員で25〜6人でいつもみんなで一緒に練習していました。
最近は少し人数が増えてきたので普段は2学年一緒に練習しています。
それだと例えば4年生が6年生をまったくわからない。また、その逆もそうで顔はなんとなくわかっても名前がわからない。昔のペルナはみんな一緒に練習していましたから、学校でも「よう!○○」と気軽に声をかけて上下の関係はフレンドリーでした。
もう一度そんな関係が作りたくて、毎週金曜日は4学年一緒に練習することにしました。

狙い通りだいぶ顔と名前がわかるようになってきましたが、最近もう一つの狙いがいー感じになってきました。
一緒に練習しているので当然一緒にミニゲームもやります。
3・4年は積極的に5・6年をドリブルで抜きにいきます。逆に5・6年は3・4年を“いなし”にかかります。
コーチは3・4年生には
「でかいのをやっつけろ!」
5・6年生には
「スピードとパワーでサッカーやらない」
とだけ言って後は笑いながら見ています。
これが結構面白いんですよ(笑)
5・6年も手を抜いているとやられてしまうのでプライドをかけてがんばります。3・4年生はでかいやつをやっつけたくてすごい勢いで向かっていきます。白熱した戦いにコーチはニコニコ笑いながら見ています。小さい選手はでかい選手とやってうまくなるし、でかい選手は小さい選手の面倒を見ることと、いなすことを身に付けます。
これがペルナの原点でペルナのサッカーです。

これからもこの4学年でのトレーニングを続けて「ペルナらしさ」を失わないようにしていきたいと思います。

       Coachしみず

モンテディオ山形

  • 2008年12月05日(金)

J2のモンテディオ山形が、J2参加10年目で悲願のJ1昇格を決めました。

以前には01年・04年と最終戦で昇格を逃した経験もあり、クラブ史上初の悲願を達成しました。

早くもモンテディオは山形県をあげてJ1昇格を祝い、様々なキャンペーンを計画しているようです。
例えば、ホームゲームの公式戦でモンテディオが敗れた場合、観戦に訪れて山形県内に宿泊した相手サポーターのホテル代を3000円引きにするプランや、アウェー会場で山形県の特産品店を出すことなどを計画しています。

Jリーグの理念である「地域に密着したチーム」を作ろうとする姿勢がはっきりとみてとれますね。

数少ない東北地方のチームとしてJ1に定着して、日本中に山形県の素晴らしさをアピールしてもらいたいものです。

      Coachしみず

Jクラブ大半「NO」

  • 2008年12月03日(水)

Jリーグを現行の春開幕〜冬閉幕から、秋開幕〜翌春閉幕(秋春制)に変更するいわゆる「シーズン移行」問題で、Jリーグは各クラブの社長から意見を聞きました。

秋春制への移行は世界的基準に合わせること、日本代表が活動しやすいことなどから日本協会が求め、現在「Jリーグ将来構想委員会」で議論されています。
この会議にトップリーグの12クラブの社長が出席して様々な意見を交換しました。

浦和の社長は
「代表選手をシーズン前にとられ、帰ってきてすぐに開幕となるのが解決される」
と前向きな意見を述べましたが、その他の多くの意見は否定的だったようです。
新潟からは昨年12月と今年1月は晴れの日が1日もなかったデータが示され、札幌の社長も
「100億単位のカネが必要になる」
と話しました。

元々サッカーは冬のスポーツ。夏場の連戦は選手に体力的に大きな負担をかけます。世界的な基準からみても秋春制へ移行するべきかなって思いますが、寒冷地の切実な意見を聞くと・・

イングランドなんかも寒いところだと思いますがどうなんでしょうね。
秋春制が当たり前やからインフラもそれなりに整備されているんでしょうね。
こんなところでもサッカー文化の違い・遅れを感じます。

     Coachしみず

素質は伸ばせない!?

  • 2008年12月01日(月)

新日本石油ENEOSの田沢投手(22)の米大リーグ・レッドソックス入りが合意に至りました。

アマ野球の田沢投手の獲得をめぐっては、レッドソックスの他にマリナーズなど大リーグの数球団が日本国内を舞台に争奪戦を繰り広げたそうです。

田沢投手のようなドラフト上位候補選手が、日本プロ球界を経ずに大リーグの球団と契約すれば史上初。プロ経験もなく、もちろん大リーガーとしての実力は未知数なのに、なぜ大リーグが田沢投手に目を付けたのでしょうか?
今、大リーグの各球団は、野茂投手の活躍を受けて、日本などアジアを担当する「極東担当スカウト」というセッションを持っています。
そのスカウトは日本に常駐して、球団が獲得したい条件に沿った選手をプロ・高校・大学・社会人などのドラフト候補選手はもちろん、それ以外の有力選手もチェックしているそうです。

そのスカウトが言うには、スカウト網に引っ掛かるためには、日本で結果を残していてもダメで「絶対条件」があるようです。

「投手は球の速さ・制球力、野手は肩の強さ・足の速さ。これは練習したから伸びるものではない。素質として備わっているものがないとダメ。打撃・守備・変化球・打者との駆け引きなどは後からでも伸びるが、素質は伸ばせない」

野球・サッカーと種類は違いますが、同じ育成に携わるものとしてなんだか複雑な気持ちになります。

       Coachしみず

不祥事

  • 2008年11月27日(木)

日本学生野球協会は25日、審査室会議を開き、大学の不祥事2件、高校の同45件に対する処分を決めました。

その内高校の対外試合禁止は計14件。
部員が悪質な部内暴力事件を起こした東北(宮城)が9月14日から6ヵ月の対外試合禁止となり、来年夏の甲子園大会予選は出場できることになりました。
部員が自転車窃盗・喫煙・賭けトランプなどを行なった東海学園(愛知)は10月24日から1年間の対外試合禁止で、来年夏と2010年春の甲子園大会出場への道を閉ざされました。

対外試合禁止の処分を受けた14校に所属する選手の中には、その高校でプレーすることを夢見て越境入学で寮生活や下宿している選手もいたはず。
高校野球の目的が「甲子園大会出場」だけではないことは、同じスポーツで育成に携わっているものとして分かっているつもりです。しかし、高校球児の多くの夢は「甲子園」のはず。東海学園の2年生の選手たちは、そんな意味での高校野球は終わってしまいました。たった少しの、一握りの選手たちのせいで・・

一握りの選手たちが実際どんな事件を起こして、それが社会にどんな影響を与えたのか詳しいことは分かりませんが、事件を起こした選手の「退部処分」なんかとは全然比べものにならないほど重いこのチーム全体への処分が、この先係わった全ての関係者にどんな影響を与えるか想像もできません。

同じ育成の現場に身を置くものとして本当に悲しく、せつなく、やるせない気分になりました。

       Coachしみず

Jogo com PERNA

  • 2008年11月25日(火)

この3連休は「Jogo com PERNA」で楽しみました。

遠くは東京・山梨から様々なチームが集まってくれていろんな意味で「たまらん」3日間でした。

集まった14チーム全ての名前が違うように、プレースタイルが違います。多くのこだわりを持ったチームの集まりは、どのチームを観ても唸らされるものばかりで指導者・選手ともに本当に勉強になりました。

うちのチームも他の指導者に「やっばり毎年ペルナらしいサッカーになってきますね」って言ってもらってうれしくなりました。

ドリブル一つとっても微妙に違うチームたちですが、一つだけ全ての指導者に共通していることがあります。
それは「個人の育成」に重点を置いているということ。少年年代は「個」をピカピカに磨き上げて、いろんな技術を身に付けブクブクに太らせる時期。集まった全ての指導者はチームの勝利よりも個の育成に間違いなく力を入れています。

そして、その全ての指導者の願いはうまく上のカテゴリーにつなげていくこと。選手個人が成長する姿を楽しみにしています。

今回集まってくれた全ての指導者・選手がいつまでもサッカーに携わっていてくれることを心の底から願います。

        Coachしみず

Jリーグの育成

  • 2008年11月19日(水)

Jリーグが来季「アジア枠(今ある「外国人枠(外国籍の選手:現在3人まで試合出場可能)」からアジアの選手を特別に別にする枠のこと)」を導入すると発表しました。

Jリーグによると、導入の目的は
@選手・試合のレベル向上
Aアジア市場でのマーケット拡大
B国際交流・貢献         の3点。
特にリーグ側が期待を寄せているのはアジア市場への本格参入で、放映権収入やスポンサー獲得といったところを狙っているようです。
欧州、特にプレミアリーグはアジアでの放映権、マーケットの拡大で大きな額を稼いでおり、Jリーグ側もそれを狙っています。

しかし、現在の外国人枠は「3」それにアジア枠「1」が加われば「4」になり、今以上に日本人の出場機会が減ります。
それじゃなくても、日本人は20歳前後の大切な時期にチームでの出場機会に恵まれず、選手が伸び悩んでいる場合が多くあります。
世界に通用する日本人選手の育成のためには、このアジア枠があまりプラスになるとは思いません。

ナビスコカップをU-23の大会にする動きがあるようですが、なんとかしなければ世界にますます置いていかれることになるでしょう。

世界では10代の選手が、各国のトップリーグで活躍していることを忘れてはいけません。

       Coachしみず