ある高校で女子の球技の練習風景を目にする機会がありました。
女性のコーチは、たぶんそのチームのエースであろう長身の選手に個別に指導していました。
「手の角度が違う」
「はいっ」
そんな注意を受けて練習再開。すぐに
「だから違うって」
「はいっ」
また再開。またすぐに
「違うって言ってるでしょ。やる気あんの」
「はい」
また再開。次にはとうとうボールをぶつけられてしまいました。
その後すぐに他のチームと試合形式の練習。
もう一つのチームは男性のコーチでした。この男性のコーチがまたエグかった(苦笑)
選手がミスするたびに何か言っておこっています。そのチームの選手は全員「直立不動」で
「はいっ」
のオンパレード。ついにコーチの怒り爆発!
「1年のミスを2年がカバーしてやるのが当たり前やろ。それを2年が先にミスしてどうするんや」
バターン!パイプイスを蹴りました。
確かに下級生のミスを上級生がカバーすることはチームワークの面からも大切でしょう。しかし、素人目で見てもわざとミスしている選手はいませんでした。それを「ミスするな」って言われても・・・
なんか「日本のスポーツの指導現場を見た」って感じでした。
つらく、苦しい思いをしなければスポーツは上達しない。声が出ないのは気合が足りないからだ。指導者におこられながら練習してると
「きびしいトレーニングを積んできっと上手くなる」
って勘違いしてません?パイプイスを蹴飛ばす勢いや、ボールをぶつけられながら指導されて、何かそのスポーツに大切なことは伝わります?
スポーツってミスが出るのが当たり前で、指導者はそのミスが減るようにトレーニングしたり、ミスが出ても失点につながらないようにトレーニングするのが仕事でしょ?
「きびしいトレーニング」
っておこられながらするもんじゃなくて、上達のために必然的にいることを体力的にきつい状態でトレーニングすることじゃないですかねぇ。
選手自身が「前向き」に「きびしい」トレーニングに取り組めるよう、声掛け・練習内容など雰囲気作りを工夫したらいいのになって思いました。
Coachしみず
新年早々あまりよろしくない話を…
世界同時不況で企業スポーツの撤退が相次ぐ中、サッカー・Jリーグにも影響がじわじわ広がってきました。
Jリーグは93年、日本初のプロサッカーリーグとして華々しく開幕。地上波のゴールデンタイムにテレビ中継され、試合のチケットはプラチナ化してスタジアムにはだふ屋が溢れていました。
しかし、次第にテレビの放映権料や入場料は減収していき、選手の年俸は高騰していくという悪循環。
そこに今回の世界同時不況と、各クラブを取り巻く経営環境はどんどん厳しくなっています。
横浜F・マリノスは、セルティックの中村俊輔選手の09年1月の獲得を目指していましたが、親会社の日産自動車の業績が厳しく、移籍金などの資金操りにメドが付かず、獲得を断念しました。
この地域では、今季J2に昇格したFC岐阜は、シーズン中にユニフォームの広告企業を獲得できず、入場料収入も予想を下回り、今年度約9000万円の赤字。累積赤字は3億円に達する見通しです。
そのためFC岐阜は、選手の平均年俸を450万円から350万円に大幅ダウンしました。
他の多くのクラブも「選手の若返り」「育成型への変換」などと言って、年俸の高いベテラン選手をリストラしました。
クラブのフロントは本拠地の自治体と一体となって、人気と話題を集め、10年先を見据えた「観客動員アップ」を考えていかないと、日本の教育やサッカー界の育成と同じように、世界に置いていかれることになりそうです。
ペルナの子どもたちの多くが夢見るJリーグの現状がこれでは、今の子どもたちから夢が消えてしまうのも時間の問題かもしれません。
新年早々寂しい気持ちになります。
Coachしみず
新年明けましておめでとうございます。
本年も自分なりの目線で感じたことを書かせてもらいますのでよろしくお願いいたします(笑)
新年早々大阪へ行って来ました。
毎年お世話になっている「新春カップ」という5年生以下の大会で、遠くは千葉県からも参加する25チームの盛大な大会です。
以前、ある雑誌でこの大会参加者が「新年度から始まる全日を前にチームの状態を知るのに重要な大会」とコメントをしているのを読みましたが、それほどいろんなタイプのチームが集まる面白い大会です。
1日目我がペルナは1分3敗と相変わらず試合には勝てませんでした。
この時期の4・5年生は4年生と5年生でやっていることが「まったく」違っているので、チームとしては勝つことはできませんが、個人としては十分戦えていたと思います。
毎年この大会で来年度のチームのイメージができてきます。今年度やってきた中のどこまでできていて、どこからできてないかを分析して、来年度の前半のトレーニングのイメージができてきます。
相変わらず新チームの前半は面白いサッカーができませんが、後半で面白いサッカーができるようにゆっくり進んでいきたいと思います。
参加する各チームが様々な思いで集うこの大会に、来年以降も呼んでもらえるように、今年も「魅力あふれるサッカー」を展開していきたいと思っています!
Coachしみず
先日、友人から指導の相談を受けました。
「うちのチームは普段のトレーニングでやっとることと、ゲームでやることが全然違うんやけど…」
この相談について少し掘り下げてみましょう。
原因は
@トレーニングする指導者とゲームのときの指導者が違う
A指導者がトレーニングのときとゲームのときで性格が変わる
Bゲームのときになんらかの外的要素が指導者に加わる
@の場合はトレーニングとゲームを同じ指導者でおこなうか、同じコンセプトで指導してください。でOKですね。
Bは他の指導者や保護者からの様々なプレッシャーということが考えられると思います。それは一度、話し合う機会を設けて、考え方を理解し合ってみてはどうでしょう。
問題はAですかね。
トレーニングのときとゲームのときで指導者の性格はなぜ変わってしまうのでしょう。一番大きいのは大人の「勝ちたい」ではないでしょうか?
その友人は「トレーニングではゆっくりドリブルをやっているのに、ゲームになるとボールは宙を舞っていることが多い」と言ってました。
せっかくトレーニングでドリブルをやっているのにゲームになったら大きく蹴ってしまう。やっぱりゆっくりドリブルをしていると、ボールを失ってゴールされることが多くなります。それを我慢できないのは誰でしょう。指導者を含めた大人ではないでしょうか?
ゲームというのは、今トレーニングでやっていることがどこまでできて、どこからできてないかを確認する場なはず。
ゲームに勝った・負けたは二の次です。
トレーニングでやったことがすぐゲームに出せる訳はなく、うまくいかないことのほうが多くなります。
我々大人はそこのところを我慢して「待ってあげる」必要があると思います。
勉強でも一回教えただけで頭に入ることはまず不可能で、繰り返し勉強することにより記憶していきます。
サッカーも同じです。
我慢して、根気よく、繰り返し指導してトレーニングしていきましょう。いつか必ずできるようになります。その時できたことを誉めて、子どもたちと一緒に喜びましょう。
その繰り返しがサッカーの上達への近道であり、子どもたちがサッカー好きになる道そのものだと思います。「待つ」余裕を持って指導に当たりましょう。
Coachしみず
23日は大阪遠征でした。
会場が午前と午後、それに夕方と1日で3箇所の移動となるハードな1日でした。
いつもながら大阪はなかなかグランドが取れず苦労してもらってます(汗)
午前・午後はジュニア(小学生)の2チームとぐるぐる回しでやりましたが、2チームともいいチームでこだわりがあり大変勉強になりました。
夕方から会場を移動して、ジュニアユース(中学生)のチームと1試合やりました。
会場に着いてすぐ中学生と一緒にウォーミングアップをして(向こうの指導者にやってもらいました)即ゲーム。
このウォーミングアップがおもしろかった。
すべてのメニューが中学生と小学生が一緒にやらなければ成立しないメニューで、初めて一緒にトレーニングする者同志のコミュニケーションとしては最高のメニューでした。
楽しくフレンドリーなウォーミングアップの後はガチンコの勝負。
普通中学生が小学生とやるとき、中学生は手を抜いてくるものですがまったく全力でした。
せめて1点取りたいと最後までがんばりましたが、残念ながら取れませんでした。
午前・午後とたくさんのゲームをこなした後で、体力的に相当きつかったと思いますが、自分達より一回りも二回りも大きい相手に戦い抜いたことは評価できることでした。
小学生のこだわりに感謝、手を抜かなかった中学生に感謝、最後までがんばりきったペルナの選手に感謝の大阪遠征でした。
Coachしみず
サッカーの6大陸連盟クラブ王者が世界一を争うクラブW杯は18日、日産スタジアムで準決勝を行い、マンチェスター・ユナイテッド(イングランド)がガンバ大阪を5−3と下しました。
このゲームを語るのに、どうしても昨年の「ACミランVS浦和レッズ」と比較してしまうのですが・・・
立ち上がりガンバ大阪は持ち前のショートパスでリズムを作りました。何度か世界のマンUのゴールに襲いかかりましたが、先制点を奪うことはできませんでした。
マンUは二度のセットプレー(コーナーキック)をモノにして、前半を2-0で終えました。
後半ガンバは1点を返し1-2として、マンUを慌てさせましたが、マンUはルーニーを投入してすぐの後半30分、そのルーニーのゴールで突き放し、その後も33分・34分と得点を重ね5-1とリードを広げました。
ガンバも連続失点で浮き足立ちましたが、後半40分遠藤の「コロコロPK」、44分の橋本のファインゴールで3-5と差を縮めましたが反撃もここまで!
合計3-5で敗れました。
昨年の「ACミランVS浦和レッズ」のゲームは、終盤カカーの左サイドのドリブルからの得点で、1-0でACミランが勝利したように記憶していますが、その時の次の日の朝刊の見出しは「レッズ大健闘!ACミランに0-1!世界との差縮まった!」みたいな感じだったと思います。
さて、今年はどうでしょう?
点差は3-5で2点。点差だけみると広がっているような気がしますが、3点取っています。
今18日の22時で、先程までゲームを観ていたので他の人がこのゲームをどう観たか分かりませんが、私は世界との差は縮まっていないと思います。
ミランの時と同じようにマンUの選手には明らかに“余裕”が感じられました。
Cロナウドは一度もガンバの選手を抜けませんでした。いや、抜きませんでした。
明日の新聞には「Cロナウド、世界最高のボールタッチ!」みたいな記事が載るんでしょうね。
私には今日のCロナウドは遊んでるとしか思えませんでした。
恐らく決勝では何回か相手を抜いて「置き去り」にする本気のプレーがみられるでしょう。
しかし、レッズが0-1で敗れたのと、ガンバが3-5で敗れたのは大きな違いがあると思います。
レッズの「守ってカウンター」のサッカーは、イタリアのチームには通用しないと思います。「カテナチオ(ゴールに鍵をかけるの意味)」を破る能力も技術もレッズの選手は持ち合わせていないでしょう。
それに対しガンバの「ショートパスをつなぐ」サッカーは3点取ったところからも世界に通用すると思うし、世界と対等に戦うために後はディフェンス面がどこまで伸ばせられるかがポイントかなって思います。
このガンバの戦いを観て、日本のサッカーの進むべき道が見えたような気がします。
Coachしみず
FIFAクラブワールドカップ ジャパン2008準々決勝 アデレード・ユナイテッド(オーストラリア)対ガンバ大阪(日本)の試合が14日トヨタスタジアムでおこなわれました。
結果は我らがガンバ大阪が前半23分、明神〜二川〜播戸とつないだボールを最後は遠藤が、ゴールキーパーにカネッタ(股抜き)を決めて得点。そのまま逃げ切り1ー0で準決勝進出、マンチェスター・ユナイテッドへの挑戦権を得ました。
ガンバにとってはこのアデレードは、11月にACL決勝を戦い大勝しており「勝って当たり前」的な空気が流れていて非常にやりにくい相手でしたが、遠藤の技ありゴールを守りきって世界のマンUへの挑戦権を獲得しました。
私もトヨタスタジアムでこのゲームを観戦していましたが、終了間際のアデレードの攻撃は迫力のあるもので、際どいシーンにスタジアムのガンバファンの悲鳴は大変なものでした。
帰りの車の中での家族ミーティングでは
「勝って良かったなぁ」
「マンUとの試合見たいなぁ」
「最後のほう危なかったなぁ」
というファンの感想(笑)に混じって
「しかし、なんで最初からアデレードはもっとシンプルにロングボールを使わへんかったんかなぁ」
っていう疑問が出てきました。
それは、アデレードのアウレリオ監督の試合後のコメントで謎が溶けました。
「素晴らしい相手と戦っているのだからとにかくできるだけのサッカーをしたい。今日のゲームは地上戦をすることが重要だと思った。そうすることでガンバに追い付いたのだと思う。このゲームによって、オーストラリアのサッカーがどこを目指すべきかはっきりした」
とアウレリオ監督は語りました。
アデレードはクラブワールドカップでのマンUへの挑戦権は逃しましたが、大きな手応えを感じたようでした。
昨年のクラブワールドカップで、浦和レッズがセパハンを破りACミランへの挑戦権を獲得し、世界との差を見せつけられましたが今回はどうなるでしょう。
レッズは日本のビッグクラブでホームタウンのさいたま市は人口120万人の大都市。守備からのカウンターを得意とするチームです。
一方ガンバは生粋の関西クラブでホームタウンの吹田市は人口35万人の都市。中盤に才能豊かな人材を揃えパスサッカーをするチーム。
どちらのスタイルがいいか悪いかではありませんが、現在の日本のサッカーの主流は間違いなくガンバです(ペルナではそう信じています)
日本のサッカーが目指すべきスタイルのチームが、世界のトップチーム相手に何が通用して何が通用しないか?
非常に興味深いところですが、アデレード戦で負傷退場したMF二川と佐々木は今季絶望。
大きなハンデとなりますが、この一戦が日本のサッカーの将来を大きく左右することになるかもしれません。
Coachしみず
岡田ジャパンの今度のキーワードは「ローパワー」だそうです。
人のエネルギー回路は、体内のグリコーゲンなどの糖を分解して強い力を得る「ハイパワー」系と、力は低いが脂肪を燃焼して長時間エネルギーを得られる「ローパワー」系の2つがあります。
両回路は混ざり合ってエネルギーを生み、ロー系の割合が強いほど吐き出す二酸化炭素の量は減るそうです。
日本代表はこの「ローパワー」のトレーニングを充実させていこうという、サッカーのみならずスポーツ界にとっても新たなチャレンジを試みています。
90分間のサッカーのプレー中、7割以上はジョギング程度の運動で、ローパワー能力を向上させれば、この時間帯は脂肪でエネルギーを供給し、瞬発力が必要な勝負どころで発揮されるハイパワーのために必要な糖をとっておける。
そうすれば試合終了まで足は止まらず、集中力も持続でき、けがやオーバートレーニング症候群の予防となるのが狙いです。
なかなか世界に対して「個」で戦うのが難しい日本人。数的優位を作ってグループで戦うためには、どう
しても走力、運動量が必要となってきます。
この「ローパワートレーニング」がうまくいけば、岡田ジャパンはエコジャパンとなって少しは世界と戦えるようになるかも!?
Coachしみず
毎週金曜日はU-9・10・11・12で練習しています。
昔のペルナは小学生全員で25〜6人でいつもみんなで一緒に練習していました。
最近は少し人数が増えてきたので普段は2学年一緒に練習しています。
それだと例えば4年生が6年生をまったくわからない。また、その逆もそうで顔はなんとなくわかっても名前がわからない。昔のペルナはみんな一緒に練習していましたから、学校でも「よう!○○」と気軽に声をかけて上下の関係はフレンドリーでした。
もう一度そんな関係が作りたくて、毎週金曜日は4学年一緒に練習することにしました。
狙い通りだいぶ顔と名前がわかるようになってきましたが、最近もう一つの狙いがいー感じになってきました。
一緒に練習しているので当然一緒にミニゲームもやります。
3・4年は積極的に5・6年をドリブルで抜きにいきます。逆に5・6年は3・4年を“いなし”にかかります。
コーチは3・4年生には
「でかいのをやっつけろ!」
5・6年生には
「スピードとパワーでサッカーやらない」
とだけ言って後は笑いながら見ています。
これが結構面白いんですよ(笑)
5・6年も手を抜いているとやられてしまうのでプライドをかけてがんばります。3・4年生はでかいやつをやっつけたくてすごい勢いで向かっていきます。白熱した戦いにコーチはニコニコ笑いながら見ています。小さい選手はでかい選手とやってうまくなるし、でかい選手は小さい選手の面倒を見ることと、いなすことを身に付けます。
これがペルナの原点でペルナのサッカーです。
これからもこの4学年でのトレーニングを続けて「ペルナらしさ」を失わないようにしていきたいと思います。
Coachしみず
J2のモンテディオ山形が、J2参加10年目で悲願のJ1昇格を決めました。
以前には01年・04年と最終戦で昇格を逃した経験もあり、クラブ史上初の悲願を達成しました。
早くもモンテディオは山形県をあげてJ1昇格を祝い、様々なキャンペーンを計画しているようです。
例えば、ホームゲームの公式戦でモンテディオが敗れた場合、観戦に訪れて山形県内に宿泊した相手サポーターのホテル代を3000円引きにするプランや、アウェー会場で山形県の特産品店を出すことなどを計画しています。
Jリーグの理念である「地域に密着したチーム」を作ろうとする姿勢がはっきりとみてとれますね。
数少ない東北地方のチームとしてJ1に定着して、日本中に山形県の素晴らしさをアピールしてもらいたいものです。
Coachしみず