お弁当について

  • 2012年05月22日(火)

 今回も吉川珠美さんの栄養コラムの紹介です。

 試合や練習にもっていくお弁当の栄養バランスを考えるためには、家庭での食事とは違った工夫が必要です。お弁当作りでは、運動前に補わなければならない栄養素がしっかり含まれているだけでなく、持ち運びしやすい、腐りにくいといったことも考慮しなければなりません。

 まず運動前に必要な栄養素はエネルギーのもとになる糖質と、それを利用するために必要なビタミンB1、クロム、マグネシウム、そして疲労を蓄積させないためのクエン酸やビタミンCを補います。主食となるご飯やパンで糖質をしっかり食べるとよいのですが、ご飯にごまやちりめんじゃこ、塩昆布を刻んで混ぜるだけで簡単にビタミンB群やマグネシウムなどを補給することができます。また白米よりも精製度を抑えた胚芽米を利用すればそのままで栄養バランスを摂ることができます。もともと玄米は、稲を発芽させるための種ですから発芽のためのエネルギーを生み出す栄養素がすべて含まれている完全食品なのです。ただし玄米は消化がよくないので試合や練習前に食べると胃にもたれる可能性があるので、三分搗きや五分搗きなど精製度の低いものにすると胃腸への負担が軽減できます。パンを主食にする場合も、胚芽の入ったパンや全粒粉やライ麦などが含まれて入るものを選ぶとよいでしょう。

 おかずにはビタミン・ミネラルが豊富な食材を使い、たんぱく質はむしろ摂り過ぎないほうが賢明です。たんぱく質は運動後に筋肉の修復作業で必要となるので、運動後の夕食でしっかり摂るほうが効果的です。糖質をエネルギーに変えるために必要なビタミンB1は豚肉、うなぎ、ねぎ類、大豆製品、ごまなどに豊富です。クロムは大豆製品、きのこ類、魚介類に、マグネシウムはごまなどのナッツ類、大豆製品、青菜類、海藻類に豊富に含まれています。豚肉のしょうが焼きや、青菜のごま和え、魚介類のすり身を使ったハンバーグなどは手軽に作れて栄養バランスのとれたおかずの代表といえます。そしてデザートにフルーツを加えれば、ビタミンCとクエン酸の補給もバッチリです。
 反対にこってりした料理はボリューム満点に見えても、消化が遅く胃がもたれてしまうのでサッカー選手のお弁当にはあまり適しません。またきんぴらごぼうやひじきの煮物など食物繊維が豊富な料理をあまりたくさん食べるのも、腸を刺激するので運動前には控えたほうが良いでしょう。
 
 また同じようなおかずでも、市販のものは安くて満足感を出すために油や調味料をたくさん使う傾向にありますが、手作りのものなら量を調節したり野菜をたっぷり入れることができます。また市販のものには防腐剤などの食品添加物が含まれているので注意しなければなりません。お弁当は持ち運びするものなので腐らないようにすることは大切ですが、自然の食品の防腐作用を利用するといった工夫をすればよいのです。たとえば梅干し、紫蘇、酢、胡椒、カレー粉などのスパイス類には防腐作用や食欲増進作用もあります。
 お弁当箱をあける瞬間の子供たちのわくわくする楽しみを想像して、お母さんも楽しみながらお弁当を作ってくださいね。