JFAハンドブックF

  • 2007年11月14日(水)

【トライ&エラー】

『勝ち負け以外に大切なことがあります。』


スポーツにおいては、勝敗がいちばんわかりやすい価値です。
自分の子どものチームに勝ってほしい、応援にすっかり熱が入り子どもたち以上に勝てば大喜び、負ければがっかり、これは自然な姿です。でも悔しさのあまり、自分のチームに声をかけるばかりでなく、相手チームに野次や文句を言う大人の姿はまれではありません。子どもたちもきまりの悪い思いをしているようなことさえ見受けられます。
ある大会で、こんな光景を見かけました。あるチームが試合にリードしていましたが、追い上げられ、負けそうになってきました。コーチが「ボールを外にけり出せ!」と指示を始めました。子どもたちは言われたとおりにボールを外にけり出します。ボールが外に飛び出したら、そのチームの親たちはわざとボールをよけ、相手チームの子どもに遠くまで取りに行かせて時間を稼ぐという徹底ぶりでした。

スポーツではベストを尽くすことが大切。子どもたちには勝ってうれしい、負けてくやしいという気持ちは大いに持ってほしい。負けん気をもって、目標をもって、がんばってほしいと思います。しかし、大人は冷静に、コントロールされた気持ちでいるべきです。
勝ちはもちろん成功経験につながります。成功経験は子どもが育つ力となります。
しかし、成功経験は試合での勝利だけからしか得られないものではありません。いろいろなことから得ることができます。そして負けて学ぶこともたくさんあるのです。

サッカーは、ルールは単純ですが、たくさんの要素がからみあった、複雑なスポーツです。勝敗には偶然も運もかかわります。そんなサッカーだからこそ、プロセスや内容が大切になります。
勝利至上主義になって、手段を選ばず勝とうと思えば、いろいろなやり方があるかもしれません。よく、「おまえはただけっておけばいい」「お前はそこにいればいい」などといった指示が聞こえてきます。自分の子どもがボールを持ったときに、ミスが怖くて「早くけって〜!」などと悲鳴のような声をあげるお母さんもいます。子どもがせっかく日頃練習してきたことを試そうとしているのに、それはないですよね?

私たちは、「トライ&エラー」という言葉を使っています。まずトライ。失敗したら次には成功するように。その積み重ねです。負けや失敗を恐れるあまり、トライをしない。これは子どもたちのサッカーには無用です。

勝ってうれしい、負けてくやしい。
子どもが勝敗をうまく自分の中で消化し処理できるように、勝ちも負けも、次に向かってポジティブに自分の糧にできるように、大人はその手助けをしてあげるべきです。大人のほうがムキになって、勝敗を適切に受け入れられないようでは困ります。
「勝たないと部員が入らない」「親がやめさせてしまうので、心ならずも勝ちを重視する考え方をとらざるを得ない」というクラブもあります。
指導者は、トータルでいろいろ考えて指導をしています。子どもが最終的に成長することこそが大切なのです。
ただし、指導者やクラブが勝利至上主義で勝ち負けだけの尺度でいる場合も残念ながらあります。
みなさんが考え方をしっかり持って、ぜひ、そのような指導者やクラブをチェックする機能となってください。



−JFAハンドブックより抜粋−


コーチがコラムで書いていましたが、小学生の年代では個人がベースです。特に4年生ぐらいまでの年代はいわゆる「だんごサッカー」です。自分がいて、抜き去る相手がいて、その先にゴールがあります。
練習試合は、あくまで練習です。自分が練習して身につけた個人技がどれだけ相手に通用するか?を試す場であり、指導者が指導の成果をみたり、今後の課題を見つける場です。勝敗は関係なく、個人として相手を抜けたか、フェイントは上手くいったかを確認する場です。
しかし、保護者は(私もそうですが)ついつい勝敗を気にしてしまいます。応援にも熱が入ります。上記の内容まではいきませんが、DFがゆっくりボールをまわしたりするのを見るとハラハラします。サッカーの細かい技術の内容までわからないので、勝敗で判断しがちです。
でも、指導者は、私たち保護者よりもずーーーっと先を見ています。今、「勝つサッカー」をすることは簡単だけれど、それでは子ども個人の技術は身に付かない。今は勝敗にこだわらず、個人を伸ばす時期です。その先に勝利があれば、子どもの自信にもつながるし、達成感と同時にそれに伴う喜びをチームの仲間と味わうことができます。
でもなかなか勝てないです。
代々ペルナの保護者の方々は、こういうチームの指導方針を理解してくださって、とても感謝しています。サッカー経験者のお父さんから「なんで勝つサッカーをせんの?」と尋ねられることもありましたが、指導者の思いを説明すると理解してくださいました。保護者の方の理解があって、理想の指導に近付く・・ありがたいです。
これからも「プレイヤーズ ファースト」。子どものことを第一に考え、保護者の方と二人三脚で指導・チーム運営をしていきたいです。

JFAハンドブックE

  • 2007年11月02日(金)

【サッカーと学校や生活のバランス】

『さまざまな仲間とのさまざまな経験が幅を広げます。』

子どものうちからいろいろな習い事を専門的に行い、そればかりに打ち込むような親子の姿を見かけます。それも本人ばかりでなく大人の期待から、過度に早期に専門化させ、大成させようという傾向が強まってきています。
サッカーでも、勉強や、学校の当番その他の活動を無視してサッカーだけに打ち込む子どもがいます。
大成するためにはそれだけに長時間取り組まなくてはいけない、人のやる以上の努力をしないとライバルに置いていかれると感じてしまう、そんな気持ちがあるのかもしれません。
バランスが第一。
子どもの場合、サッカーの練習は、せいぜい1時間〜2時間、週2〜3回です。
小さな子どもの場合は週1回で十分。それ以上は心身の負担になり、けがや精神の負担、ドロップアウトの原因となってしまう場合があります。大好きだったはずのサッカーにうんざりして、もうやりたくなくなってしまうかもしれません。「燃え尽き症候群」と言われる状態です。それはとても残念なことです。
勉強は苦手でも、クラスの運動会や球技会ではスター、それもいいですね。しかし、それだけしかやらなくていい、ということではありません。代表選手、プロ選手は、決してサッカーばかりをしてきたわけではありません。
子どもが「サッカーだけしていればいい」と他のことをしようとしなかったら、それは正してください。ましてや、大人がそう仕向けるのは論外です。「うちの子はサッカーだけやっていればいい」「あなたはサッカーだけしていればいいのよ」なんて、決して言わないでください。
他の遊びをはじめ、さまざまな経験も大切。学校の当番も係もしっかりやる。町や子ども会の行事にも参加する。家の手伝いもしっかりやる。そうすれば、みんながその子を応援してくれるでしょう。


−JFAハンドブックより抜粋−


プロ野球チームのコンディショニング・ディレクターを務める、立花龍司さんが著書の中で言っています。
『近年、スポーツの世界に「ゴールデンエイジ」という考え方が広まっています。ゴールデンエイジとは、主に小学生の年代にあたる子どもたちを指すもので、この時期の運動への取り組み方は将来に大きな影響を及ぼします。
ゴールデンエイジの基本的な考え方とは、「この時期に獲得した運動神経は、大人になったときの運動神経とほぼ同じ」というものです。
ゴールデンエイジは、飛んだり跳ねたり、走り回ったりすることで、いろいろな体の動かし方を身につけるのにピッタリの時期です。そうやって体を動かすことで、脳の中に運動神経の回路がつくられ、その回路をつなぐための配線作業を行っているのです。そんな時期に一つのスポーツだけを専門的にやらせるのは、神経回路をつくり配線を伸ばすことにとってはマイナスです。ゴールデンエイジの子どもたちには、とにかくいろいろな運動をさせることが重要なのです。
ただし、子どもたちに「将来のためだからいろいろな運動をしろ」といっても、そっぽを向かれてしまうでしょう。
では、どうすればよいのでしょうか。キーワードは「遊び」です。子どもは好きなもの、おもしろいものには熱中し、すばらしい集中力を発揮します。』とあります。

日本には四季があります。春、公園に行き、芝生の上を転がると気持ちいいですね。夏はやっぱり川遊びや海での水遊び。濡れても平気なので大胆に遊べます。秋はスポーツの秋。いろいろなスポーツにチャレンジ!家族でアスレチックに挑戦しても面白いです。冬はスケートやスキー。雪が降ったときのそり遊びも格別です。大人も子どもも楽しく遊ぶ!子どもが小さいうちしかできない、あとから振り返るとキラキラ輝いている、とっても貴重な時間です。
お子さんがまだ小さいお父さん、お母さん。お仕事や子育てで大変でしょう。でも子どもと一緒に遊べる時期はほんの少しです。子どもたちにゲームより面白い遊びを教えてあげましょう。子どもに帰って遊べる絶好のチャンスです。一緒に楽しみましょう。