2人1組のこと

  • 2023年05月30日(火)
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ペルナでは練習のときに『○人1組』というのをよく使います。

練習の内容によって2人だったり3人だったり、5人だったりのときもありますが、人数が多くなればなるほど割り切れなくて人が余ったりします。

例えば、3人1組を作るとすると最後に2人残ったりします。

2人手をつなぎながら『コーチ、1人足らん』と言いに来ます。

残念ながら私に言ってもどこからか1人増やすことができるわけでもなく、1人足りないことに変わりはありません。

そんなとき私はどうするかと言うと、逆に『どうする?』って聞いています。

そうすると、『2人でやる』とか、『バラバラになって他のところに1人ずつ入る』等の『解決策』を出してきます。

『OK!それでやって』

メニューによっては2人ではできない練習だったり、4人でも工夫すれば十分できるメニューだったりしますが、いわゆる『正解』を私が提示することはありません。

ここで大切なのは『自分で考えて行動に移すこと』

この練習が上手くできるかどうかより、準備が上手くいかないときや、ちょっとしたトラブルが起きたときに自分で考えてやってみる。

それで上手くいけばOKだし、上手くいかなければ次に工夫すればいい話です。

同じように2人1組で上手く組めない子どもがいても私が手助けすることはありません。

もしかしたら多くの場合、我々のような立場の大人が、『ほら、あそこで○○が1人でおるよ』って『答え』を教えたり、『○○と△△が組んで』って強制的に2人1組作ったり。

これ完全に大人の『過干渉』です。

一見親切な大人に見えますが、子どもの考える力を奪っています。

2人1組ができなくても、ボーっと立っていたら大人が世話を焼いてくれて困ることはない。

そんな環境が続けば子どもは自分で考えなくなり、いわゆる『指示待ち』になってしまいます。

自分の子どもをそんなふうに育てたいですか?(笑)

小学生以下の全員で練習しているときの、1対1の2人組なんかは1対1も大切ですがどちらかというと2人組を組むことのほうが重要かな。私はそちらもしっかり観るようにしています。

よくあるのは仲のいい友達と組もうとして、その友達を探したらその子はほかの子と組んでいて、1人になってしまったってパターン。

大人から見れば『すぐ隣に誰とも組んでない子おるやん!その子と組んだら?』って思いま
すが、お互いが声をかけられずにフラーっと歩いてる。

そんなときに『やろっ!』って声かけられる子どもに育ってほしいですよね?

そう思うなら世話を焼いたらいけませんね。

できるようになるまで『待つ』しかないんです。

声をかけたら『指示待ち』のできあがり。

観ていると月日とともに子どもの成長が分かります。

最初は2人組を組めなかった子が、他の1人でいる子を見つけるところから始まります。

見つけたら横まで行ってモジモジ(笑)

『行け!今や!声かけろ!』って思っていると、その子が別の子を見つけて行ってしまいます。

『あ〜、残念!』そんなことを何回か繰り返しているといつかは『おる?(一緒にやる人)、やろ!』って声をかけて一緒にできるようになります。

これが『成長』ですね。

我々大人が『待つ』ことによって、子どもがほんの少しですが『成長』した瞬間です。

小さなことかもしれませんが、ペルナでは大きなことは小さいことの積み重ねであると考えていますので、こんな瞬間に出会うと思わず『ナイス!』って心の中で叫んでしまいます(笑)

これが私が○人1組に介入しない理由です。

おうちでも『待つ』ことをやってみてはいかがでしょう。

生きる力が身につくかもしれませんね。

COACHしみず