『ペルナの想い』 その13 『あめとムチ』について

  • 2016年10月21日(金)
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ペルナでは『バツゲーム』はありません。

例えば、『負けたらグランド5周』とか、『シュート外したら交代』とかは全くありません。

以前、ゲームに出る順番をリフティングで決めるお話しをしました。

制限時間内でできたリフティングの回数を競い、多い回数の選手から1番2番と番号をつけていきます。

その番号がゲームに出場する番号です。

1試合目の前半は1〜8、後半は9〜5(当日参加11人の場合)、2試合目の前半は6〜2、後半は3〜10、3試合目の前半は11〜7、後半は8〜4となります。

そうすると、1〜4まではハーフを5本、5〜11はハーフを4本となります。

うまく割り切れないのでいつもこんな感じですが(これが以前紹介したゲーム出場本数の差は最大『1』ということです)、ペルナでは5〜11が1本少ないと解釈するのではなく、1〜4が1本多く出れると解釈しています。

それは、5〜11がリフティングができなかったので1本少ないのではなく、1〜4がリフティングをがんばったので1本多く出場できるということで、結果的には同じ意味ですが、前者は『バツ』的な要素が強く、どちらがポジティブに取り組めるかは明らかです。

ペルナでは『努力した者が得をする』システムです(笑)

私が指導者をやって15年、非常に気になっていることの一つに『○○できたら○○買ってあげる』というのがあります。

よく保護者の方が子どもに使う『手』です。

例えば、『点取ったらボール買ってあげる』とか、『勝ったらゲームソフト買ってあげる』とかで、よく似たものに、『宿題しなかったら練習行かせない』などがあります。

ゲームで活躍したら何かを買ってあげることを約束して、子どものモチベーションを上げる作戦ですが、これは一時的に効果は発揮されますが、長い目で見ると決してプラスにはなりません。

子どもに『サッカーが好きになってもらいたい』とか、『サッカーが上手くなってもらいたい』という気持ちの表れであることは理解できますが、この作戦で子どもが満たされるのは『物的欲求』だけで、サッカーには全く関係がありません。

『宿題しなかったら練習行かせない』という作戦を使って、自発的に宿題をするようになった例を私は見たことがありません。

なぜなら、『宿題をする』ということと、『練習に行く』ということは全くの別物だから。

保護者は、子どもの好きなものと引き換えにすれば、嫌なこともやるだろうと思うかもしれませんが、これも『やらされているだけ』で、子どもにとってサッカーがそれほど重要じゃなくなったとき(他に興味を持ち始めたとき)はなんの意味も持ちません。

また次に興味のあるものを取り上げますか?

宿題とサッカーは根本的に違うのです。

そこを大人が理解しないといつまでたっても子どもは宿題をしないかもしれませんね(苦笑)

以上のことから、ペルナではあめやバツなどの『外的欲求』にアプローチするのではなく、心の中から湧き上がる『サッカーが好き』とか『上手くなりたい』などの『内的欲求』にアプローチして指導するように心掛けています。

以上、ペルナの考える『あめとムチ』についてでした。