ペルナでは練習のときに『○人1組』というのをよく使います。
練習の内容によって2人だったり3人だったり、5人だったりのときもありますが、人数が多くなればなるほど割り切れなくて人が余ったりします。
例えば、3人1組を作るとすると最後に2人残ったりします。
2人手をつなぎながら『コーチ、1人足らん』と言いに来ます。
残念ながら私に言ってもどこからか1人増やすことができるわけでもなく、1人足りないことに変わりはありません。
そんなとき私はどうするかと言うと、逆に『どうする?』って聞いています。
そうすると、『2人でやる』とか、『バラバラになって他のところに1人ずつ入る』等の『解決策』を出してきます。
『OK!それでやって』
メニューによっては2人ではできない練習だったり、4人でも工夫すれば十分できるメニューだったりしますが、いわゆる『正解』を私が提示することはありません。
ここで大切なのは『自分で考えて行動に移すこと』
この練習が上手くできるかどうかより、準備が上手くいかないときや、ちょっとしたトラブルが起きたときに自分で考えてやってみる。
それで上手くいけばOKだし、上手くいかなければ次に工夫すればいい話です。
同じように2人1組で上手く組めない子どもがいても私が手助けすることはありません。
もしかしたら多くの場合、我々のような立場の大人が、『ほら、あそこで○○が1人でおるよ』って『答え』を教えたり、『○○と△△が組んで』って強制的に2人1組作ったり。
これ完全に大人の『過干渉』です。
一見親切な大人に見えますが、子どもの考える力を奪っています。
2人1組ができなくても、ボーっと立っていたら大人が世話を焼いてくれて困ることはない。
そんな環境が続けば子どもは自分で考えなくなり、いわゆる『指示待ち』になってしまいます。
自分の子どもをそんなふうに育てたいですか?(笑)
小学生以下の全員で練習しているときの、1対1の2人組なんかは1対1も大切ですがどちらかというと2人組を組むことのほうが重要かな。私はそちらもしっかり観るようにしています。
よくあるのは仲のいい友達と組もうとして、その友達を探したらその子はほかの子と組んでいて、1人になってしまったってパターン。
大人から見れば『すぐ隣に誰とも組んでない子おるやん!その子と組んだら?』って思いま
すが、お互いが声をかけられずにフラーっと歩いてる。
そんなときに『やろっ!』って声かけられる子どもに育ってほしいですよね?
そう思うなら世話を焼いたらいけませんね。
できるようになるまで『待つ』しかないんです。
声をかけたら『指示待ち』のできあがり。
観ていると月日とともに子どもの成長が分かります。
最初は2人組を組めなかった子が、他の1人でいる子を見つけるところから始まります。
見つけたら横まで行ってモジモジ(笑)
『行け!今や!声かけろ!』って思っていると、その子が別の子を見つけて行ってしまいます。
『あ〜、残念!』そんなことを何回か繰り返しているといつかは『おる?(一緒にやる人)、やろ!』って声をかけて一緒にできるようになります。
これが『成長』ですね。
我々大人が『待つ』ことによって、子どもがほんの少しですが『成長』した瞬間です。
小さなことかもしれませんが、ペルナでは大きなことは小さいことの積み重ねであると考えていますので、こんな瞬間に出会うと思わず『ナイス!』って心の中で叫んでしまいます(笑)
これが私が○人1組に介入しない理由です。
おうちでも『待つ』ことをやってみてはいかがでしょう。
生きる力が身につくかもしれませんね。
COACHしみず
今日はペルナのエンブレムの右上の五つの星についてお話します。
これもホームページ上に明記してありますが、この五つの星にはそれぞれ意味があります。
『創造』『夢』『感謝』『努力』『誇り』
創造力豊かな発想を持ってプレーしてほしいし、日々の生活を送ってほしい。
夢を持って、その夢をかなえるために努力を続けられる人になってほしい。
ひとりでは生きていけないことを本当に理解し、関わる全ての人に感謝してほしい。
『ペルナサッカークラブ』というクラブに誇りを持てるような、そんなクラブに育てたい。
エンブレムの五つの星にはこんな願いが込められています。
最近、エンブレムの五つの星以外にも、大切な五つのことを思って指導しています。
『自立』『自発』『協力』『思考』『行動』
最近、大人の過保護、過干渉などによる子どもの『思考停止』が問題だと思っています。
何から何まで大人が手を出し、子どもの失敗を回避する場面が多く見られます。
大人のほうが経験も多く、正解を導き出すのは早いでしょう。
子どもに失敗させたくない気持ちもわかります。
ですが、大切なのは『自分で考えてやってみる』こと。
例えそれが失敗に終わったとしても。
それこそが、子どもの成長につながるでしょうし、何より子ども自身が結果に納得できると思います。
自らが考えて行動する。
まさしく『自立する』ことだと思います。
一人でできないことはみんなで協力して。
サッカーというスポーツの性質上、この自立することが上達に不可欠であると考えますし、子どもから大人になっていく『成長』の過程に重要なことだと思っています。
ペルナでは、今挙げたような大切であると考えることを、選手たちに話す内容やトレーニング・ゲームにちりばめて活動するよう心がけています。
『コーチはなんであんなことをしているんだろう?』や『コーチはなんであれをやらないんだろう?』、『なんであんなやり方なんだろう?』など、不思議に思われることを少しずつ思いついたままにこのコラムで紹介していきます。
何か質問があればいつでもどうぞ。
COACHしみず
ペルナのホームページに『ポリシー&スローガン』が明記してあります。
『観ている人を楽しませる』
『日本のロナウジーニョを輩出』
『サッカーバカを創る』
三つが挙げてあります。
一つずつ説明していきたいと思います。
『観ている人を楽しませる』
これは、その字の通り観ている人を『ワクワク』『ドキドキ』させ、そして『喜ばせる』ということです。
美しいパス回しに、キレのあるドリブル、完璧なインターセプト(パスカット)に強烈なシュート。
挙げればキリがありませんが、どのプレーにも『フェア』なことが絶対条件です。
ダーティーなプレーは観ている人を嫌な気持ちにさせますからね。
そんな観る人を魅了するために日々トレーニングやゲームをし、何より一番大切な『プレーする人が楽しむこと』のために我々指導者は奮闘しています。
『日本のロナウジーニョを輩出』
次に、『日本のロナウジーニョを輩出』ですが、これは私の好みによるところが大きい(笑)
私は、有名サッカー選手のなかでロナウジーニョが一番好きです。
理由は、彼はいつも『プレーする喜びに満ち溢れている』から。
簡単に言うと『嬉しそうにプレーする』から。
こんな時代ですからYouTubeとかですぐ映像が出てくると思います。
観てください。
いつも笑っているように見えますから(私だけですかね?(笑))
そんなふうに楽しんでいるのに、それだけでなく技術もめちゃくちゃ高く、セレソン(ブラジル代表)でも大活躍。
文句のつけようがありません!
そんな選手をペルナから輩出したい!
指導者の願いです。
『サッカーバカを創る』
『サッカーバカ』です。
『バカなサッカー選手』ではありません(笑)
どういうことか例えて言うなら『サッカーが好きで好きでしょうがない』って感じでしょうか。
ボール1個あればいつまででも遊んでいられる。
それは、子ども時代だけでなく、大人になっても同じであることが理想です。
プレーするのはもちろん、観ることも、応援することも含まれると思います。
そんなサッカーバカの根っこの部分をペルナのジュニア、ジュニアユースの間に創りたい。
そんな想いで日々活動しています。
私も指導者を始めて24年目に入りました。
この間にはたくさんの選手がいました。
代表はやっぱり浅野拓磨ですかね(笑)
拓磨のときには、拓磨はもちろん他にもいっぱい『サッカーバカ』がいました。
休みの日もみんなで集まって公園でサッカーしてるような(笑)
拓磨は日本代表として先日のW杯で大活躍しましたし、拓磨が5年生や6年生の頃は、ゲームしていると全然関係ない大人が足を止めてペルナのプレーを見ていることもしばしば。
もっともっとそんな選手がペルナから出てきたらいいなって思いますし、それ以上にペルナに関わった全ての選手がサッカーをいつまでも楽しんでもらいたい。
選手も保護者も大人も子どもも、みんなペルナでサッカーバカになって欲しい(笑)
そんな願いがポリシー&スローガンに込められています(^ω^)
COACHしみず